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トマス・ウルフの著書

「天使よ故郷を見よ」“Look Homeward, Angel”(絶版)

1929年に出版された、トマス・ウルフの処女作。パーキンズのもとに「失われしもの」というタイトルで持ち込まれた原稿から、約9万語を削除して完成した。新しいタイトルは、詩人ミルトンの「リシダス」から取られた。ノース・カロライナの山間の町に生まれ育った、ウルフ自身がモデルの主人公ユージン・ガントの幼少期と青春を描いた自伝的小説。愛人のアリーン・バーンスタインに献辞が贈られている。大変なベストセラーとなり、ウルフはまさに一夜にして有名人となる。

「時と川の」“Of Time and the River”(絶版)

1935年に出版された、トマス・ウルフの第2作。前作に続く、ユージン・ガントの青年時代が描かれる自伝的作品。ガントは故郷を離れてハーバード大学に入学し、やがて放浪の旅に出る。パーキンズの反対を押し切って、献辞は彼に贈られた。発行された年は大恐慌で、出版業界も大不況だったにもかかわらず、初版はたちまち売り切れ、毎週のようにベストセラーの3位までに入った。

グレート・ギャツビー“The Great Gatsby”

1925年に出版された、フィッツジェラルドの第5作目。発売当時、書評で絶賛されるが、本は売れず一時的に絶版になったことさえあった。
夜ごと豪邸でパーティを開く謎の大富豪ギャツビーの本当の目的と過去の秘密が、繊細かつ鮮やかな文章で美しくも残酷に明かされていくのだが、当時の彼の若いファンには理解できなかったのではないかと言われている。しかし、作者と共に死後に再評価され、今では20世紀最高の小説と称えられ、全世界でロングセラーを記録している。

「グレート・ギャツビー」

「グレート・ギャツビー」
スコット・フィッツジェラルド著、村上春樹訳
(中央公論新社刊)

「F・スコット・フィッツジェラルド」F. Scott Fitzgerald

ロスト・ジェネレーションを代表する作家。1896年、アメリカ、ミネソタ州生まれ。1920年の衝撃的なデビュー作「楽園のこちら側」は、若い世代を中心に熱狂的に受け入れられ、彼が生み出した言葉“ジャズ・エイジ”は、20年代のアメリカ文化を象徴する言葉として定着し、彼自身も新時代のアイコンとなる。
しかし、妻ゼルダとの派手な暮らしや彼女の病気に振り回されるうちにスランプに陥り、世間からは過去の流行作家と見なされるようになる。1934年にようやく完成した「夜はやさし」も売上は伸びなかった。1940年心臓発作で他界。享年44歳。死後ようやく時代が追いつき、アメリカ文学を代表する作家として劇的な再評価を受け、現在に至る。

老人と海“The Old Man and the Sea”

1952年に出版された海洋小説。この作品への評価が、ノーベル文学賞受賞につながった。キューバの年老いた漁師サンチャゴが、巨大なカジキマグロに遭遇。4日間に渡る孤独な死闘の末に遂に仕留めるが、舟にくくりつけた獲物は帰る途上でサメに襲われる──。峻厳な自然の偉大さ、人間の無力さと勇気を描いた傑作。この作品が生まれるきっかけのひとつとなっただろう出来事が、映画『ベストセラー~』で再現されている。

「老人と海」

「老人と海」
ヘミングウェイ著、福田恆存訳
(新潮文庫刊)

「アーネスト・ヘミングウェイ」Ernest Hemingway
写真右:ヘミングウェイ、中央:パーキンズ

ノーベル賞作家。1899年、アメリカ、イリノイ州生まれ。戦争、釣り、ハンティング、ボクシング、闘牛と、肉体を駆使した闘いや冒険を求め、その体験を簡潔で力強い文体で表現し、アメリカの理想を体現した作家として人気を博す。
時に下品な言葉も使われ、パーキンズはそれを社の上層部に通すのに骨を折ったという。「日はまた昇る」「武器よさらば」「誰がために鐘は鳴る」「老人と海」など代表作は映画化もされ、世界中から敬愛される作家となる。しかし、晩年は躁鬱病となり、1961年にショットガンで自殺する。享年61歳。

仔鹿物語“The Yearling”

マージョナリー・キナン・ローリングズが1938年に発表。フロリダ州の田舎に住む気弱な少年ジョディが主人公。ある日狩猟中に父親が子連れの雌鹿を撃ち殺してしまい、残された仔鹿はフラッグと名づけられジョディが飼い始める。ジョディはフラッグと心を通わせ絆が芽生えるが、成長したフラッグは家の作物を食い荒らすようになる。たまりかねた母親はフラッグを銃で撃ち、瀕死のフラッグを前に、ジョディは重大な決断を下さなければいけなくなる。少年から大人への成長を描いたピューリッツァー賞を受賞した児童文学の傑作。

「仔鹿物語」

「仔鹿物語」
ローリングズ著、土屋京子訳
(光文社古典新訳文庫刊)