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TRAILER

予告編
ロングverトラウマ予告編
ダリオ・アルジェント インタビュー
イレニア&アーシア インタビュー
メイキング映像
INTRODUCITON
1977年に日本でも異例の大ヒットを記録した『サスペリア』では、極彩色の悪夢的なビジュアルと先鋭的な音楽を融合させ、とかく低俗と見なされがちなホラーを官能的なアートの域にまで押し上げた。その誰にも模倣できない鮮血の美学は、リメイク版『サスペリア』のルカ・グァダニーノ、『死霊館』シリーズのジェームズ・ワン、さらにはクエンティン・タランティーノらを熱狂させ、世界中のクリエイターに影響を与え続けている。そのアルジェントが82歳にして、前作から10年ぶりに完成させた本作は、自身のルーツであるジャッロに立ち返ったイタリアン・ホラーだ。2000年代初頭に脚本を執筆しながらも、製作サイドの事情で中止を余儀なくされた幻の企画がついに実現。盲目のヒロインがサイコパスの殺人鬼に脅かされる“見えない恐怖”をスタイリッシュに映像化し、第72回ベルリン国際映画祭におけるプレミア上映で大きな反響を呼んだ。
STORY
ローマで娼婦ばかりを狙った猟奇的な連続殺人事件が発生。その4人目のターゲットにされたコールガールのディアナもまた殺人鬼によって車を衝突させられ大事故に遭い、両目の視力を失ってしまう。同じ事故で両親を亡くした少年チンとの間に絆が生まれ、一緒に暮らすこととなるが、サイコパスの殺人鬼はその後もしつこくディアナたちを殺害しようとつけ狙う。
DIRECTOR
ダリオ・アルジェント
(監督・脚本)
1940年、イタリア・ローマ生まれ。映画プロデューサーの父、写真家の母のもとで育つ。新 聞に映画評を寄稿したのち、ベルナルド・ベルトルッチとの共同でセルジオ・レオーネ監督作品 『ウエスタン』(1968)の原案に携わり、マカロニ・ウエスタンや戦争映画の脚本を執筆する。 『歓びの毒牙』(1970)で監督デビューを飾り、『わたしは目撃者』(1971)、『4匹の蝿』(1971) を含めた“動物 3 部作”でジャッロ映画の人気監督の地位を確立した。この初期 3 作品はエンニ オ・モリコーネが音楽を担当したが、『サスペリア PART2』(1975)で初めてプログレッシブ・ ロックバンドのゴブリンとタッグを組み、サウンドトラックが大ヒットを記録した。両者のコラ ボレーションは、魔女が巣食うドイツのバレエ学校を舞台にした『サスペリア』(1977)でも絶 大な効果を発揮。ジャッロ作家のアルジェントがオカルトの新境地を切り開いた同作品は、極端 に原色を強調した斬新な映像美も大反響を呼び、ホラー映画史上の金字塔となった。ちなみに先 に製作された『サスペリア PART2』は、『サスペリア』の大ヒットに便乗した日本の配給会社 がつけた題名で、両作品の内容にはまったくつながりがない。

『サスペリア』の成功で世界的な名声を博したアルジェントは、プロデューサーとしての活動 も開始、ジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』(1978)の制作に携わり、非英語圏での配給権を 得た。初のアメリカ資本による『インフェルノ』(1980)、華麗なジャッロ映画『シャドー』(1982)、 デビュー間もないジェニファー・コネリーを主演に迎えた『フェノミナ』(1985)でも独自の恐 怖美学を披露した。その後の主な作品は『オペラ座/血の喝采』(1987)、『トラウマ/鮮血の叫 び』(1993)、『スリープレス』(2001)、『ジャーロ』(2009)、『ダリオ・アルジェントのドラキュ ラ』(2012)など。2007 年には『サスペリア』『インフェルノ』に続く“魔女 3 部作”の最終作『サ スペリア・テルザ 最後の魔女』を発表している。2019 年にはイタリアのアカデミー賞と呼ば れるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞のダヴィッド特別賞を受賞。フランスの⻤才ギャスパー・ ノエの『Vortex』(2021)では主演を務めている。
Dario Argento’s Message
『ダークグラス』は、数年前に想像したものの、制作することができなかった作品です。
でも頭から離れることはありませんでした。
バイオレンスでくだらない作品を求める市場での需要に左右されることが難点でした。
一方で、ようやく自分の悪夢との和解を経験することができました。
それ故に、私は恐怖の扉を開き、突き進もうと決めたのです。
幼少期からエドガー・アラン・ポーに影響を受けていた私にとって、
『ダークグラス』は、運命に刻まれた作家としての旅路の集大成です。
そして時代が変わったからといって、物語の本質も解釈のスタイルも裏切りたくはないのです。
『ダークグラス』は、数年前に想像したものの、制作することができなかった作品です。
でも頭から離れることはありませんでした。バイオレンスでくだらない作品を求める市場での需要に左右されることが難点でした。一方で、ようやく自分の悪夢との和解を経験することができました。それ故に、私は恐怖の扉を開き、突き進もうと決めたのです。幼少期からエドガー・アラン・ポーに影響を受けていた私にとって、『ダークグラス』は、運命に刻まれた作家としての旅路の集大成です。そして時代が変わったからといって、物語の本質も解釈のスタイルも裏切りたくはないのです。
ダリオ・アルジェント
CAST
イレニア・パストレッリ
(ディアナ)
1985年、イタリア・ローマ生まれ。ローマの国立ダンス・アカデミーでクラシック・ダンスを学ぶ。ガブリエーレ・マイネッティ監督が日本のアニメ「鋼鉄ジーグ」をモチーフに撮り上げた異色のスーパーヒーロー・ムービー『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』(15)で映画デビュー。同作品はダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で7部門を独占し、ヒロインを演じたパストレッリも主演女優賞を受賞した。その後はカルロ・ヴェルドーネ監督の『Benedetta Follia』(18)、フィリッポ・ボローニャ監督の『Cosa Fai a Capodanno?』(18)、ミケーラ・オンドレオッツィ監督の『Good Gals』(19)といったコメディーを中心に活躍。
アーシア・アルジェント
(リータ)
1975年、イタリア・ローマ生まれ。ダリオ・アルジェントと女優ダリア・ニコロディの間に生まれ、9歳の時にTVドラマに初めて出演した。ダリオが製作、脚本で携わったホラー『デモンズ2』(86・未)で映画デビュー。ダリオが監督した『トラウマ/鮮血の叫び』(92)、『スタンダール・シンドローム』(96)で主演を務める一方、『Perdiamoci di Vista』(94)、『雨上がりの駅で』(96)でダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞主演女優賞を二度受賞した。ハリウッドのアクション大作『トリプルX』(02)ではヴィン・ディーゼルと共演。監督業にも進出し、『スカーレット・ディーバ』(00)、『サラ、いつわりの祈り』(04)、『わかってもらえない』(14・未)という3本の長編映画を発表している。そのほかの主な出演作は『Bモンキー』(98)、『ラストデイズ』(05)、『ランド・オブ・ザ・デッド』(05)、『マリー・アントワネット』(06)、『サスペリア・テルザ 最後の魔女』(07)、『ダリオ・アルジェントのドラキュラ』(12)など。本作ではアソシエイト・プロデューサーを兼任している。
Love Letter
敬称略・順不同
奥浩哉
(漫画家)
ダリオ・アルジェント氏へ、
あなたの最新作のホラー映画を見て、改めてあなたの才能の凄さに圧倒されました。
あなたはホラー映画の世界で、独自のスタイルと個性的な世界観を持ち、
多くの人々を恐怖と興奮の世界に誘ってきました。
私もクリエイターであなたの作品群は幼少期から何度も観てますが、私の作品の血肉になっています。
今もなお、あなたがこのように生気に溢れた作品を発表してくれることで私も大変勇気を貰えます。
敬意を込めて、感謝を表します。
綾辻行人
(小説家)
2020年代になって、ダリオ・アルジェント監督の新作を観ることができるとは! 生きてて良かったです。ありがとうございます。歓喜のあまり今、これまでの全作品を発表順に観直しているところです。
矢澤利弘
(アルジェント研究会代表・県立広島大学教授)
これほど公開を待ち焦がれた映画があっただろうか。ダリオ・アルジェントの映画が怖いなんて当たり前、映像美だなんて当たり前だ。理屈はいらない。もしアルジェントに伝えることができるとしたら、この一言だけ。「ありがとうございました」
平山夢明
(作家)
まさに御大が原点回帰の迫力。血、犬、ナイフ、そしてパイ!
まさにこれはアルジェント版『暗くなるまで待って』と云っても過言ではない? 
齢82を超えて、ますますコクと旨味マシマシの天才の手腕をとくとご賞味あれ!
高橋ヨシキ
(アートディレクター/映画ライター/サタニスト)
アルジェントの『ダークグラス』越しに、『わたしは目撃者』となって『ジャーロ』の『インフェルノ(地獄)』を見る。『スリープレス』な夜に轟く『鮮血の叫び』に、我々は『血の喝采』を送るのだ!
相沢梨紗
(でんぱ組.inc)
恐怖、鮮血、高揚、孤独。激烈なメンタル攻撃を受け、ふわふわと放心するような時間が愛おしくて大好きです。
無事、ととのいました。
柳下毅一郎
(映画評論家)
少年は犬を愛するものだ、とハーラン・エリスンは語ったが
美女もまた犬を愛するのである
山崎圭司
(映画ライター)
チャオ、ダリオ。
これは貴方の集大成にしてニューモード。恐怖の原点である暗闇に獣の勘が息づき、
黒い手が殺しを奏でると古い石畳が紅に染まる。
娼婦は被害者であり、同時に真実を嗅ぎ当てる強かな追跡者。お見事!
人間食べ食べカエル
(人喰いツイッタラー)
耳に突き刺さるクールな劇伴と予想の斜め上をいく展開で唯一無二のグルーヴを生み出す。
新しさを取り入れつつも、このアルジェントの味は変わらない。丁寧さと乱暴の共存。
これが観たかった。これを待っていました。
松本光司
(漫画家)
ダリオ・アルジェントへ、
僕は子供の頃に観た、貴方の映画「サスペリア」や
「フェノミナ」で、ホラーは美しいんだという事を知りました。80を越えた今も、
嬉々と血まみれジャッロ映画を撮るエネルギーに、本当に感服します。
伊藤潤二
(漫画家)
白昼の金環日食から不吉な物語が始まり、光を失った主人公に期待通りの“ダリオ・アルジェントな”恐怖が襲いかかります。
切れ味鋭い映像美と音楽も相まって、ダリオ・アルジェント作品ならではの映画体験を、今回も心ゆくまで満喫する事ができました。
大槻ケンヂ
(ロックミュージシャン)
好きです。80年代のレンタルホラー映画ビデオのムードが懐しコワい。目の見えない娼婦と少年のバディムービーというところもほっこり。たまによくわからなくなるとこもアルジェント。
大島依提亜
(グラフィックデザイナー)
思えば、ドローン撮影等ない遥か昔から、鳥の視点のような上下感のある撮影方法を駆使してきたアルジェントの新作が、
見上げるシーンから始まるのは、何か象徴的な気もする。
しかし、色々ややこしいテーマや物語の多い昨今の映画において、これほど無駄のない真っ直ぐな映画もないであろう。
するりと喉越しの良い物語は、喉元に突きつけられた刃物と等価だ。
野水伊織
(声優)
闇夜を裂く劇伴!黒革の手袋!
今作は、クラシックなのに現代的にアップデートもされていて、
そのバランスには感服です。いくつになっても現役でいてください......!
私たちホラー好きはワクワクしながら待っています!