ロックンロール史上に輝く名曲
日本での劇場初公開は1978年。1996年にもリバイバル上映された。今回の日本での上映は、2021年8月24日に逝去したチャーリー・ワッツ追悼上映となる。
1930年12月3日フランス・パリ出身。映画批評家としてキャリアをスタートさせ、59年にジャン=ポール・ベルモンド、ジーン・セバーグ出演『勝手にしやがれ』で長編監督デビュー。 ヌーヴェルヴァーグを代表する監督として一躍有名になり、その斬新な撮影方法や編集技術はその後の映画史に大きな影響を与えた。代表作に『軽蔑』、『気狂いピエロ』、『カルメンという女』など多数。 2018年には最新監督作『イメージの本』がカンヌ国際映画祭で史上初のスペシャル・パルムドールを受賞している。
1962年イギリス・ロンドンで結成。翌63年に「カム・オン」でデビューを果たす。 レコードデビュー当時のオリジナルメンバーはミック・ジャガー(Vo.)、キース・リチャード(G)、ブライアン・ジョーンズ(G)、ビル・ワイマン(B)、チャーリー・ワッツ(Dr.)。 1965年「サティスファクション」で全英・全米1位を獲得。以来、多くのヒット曲を世に送り出し続けている。68年に「悪魔を憐れむ歌」を発表。これまでに一度も解散することなく、半世紀以上にわたり第一線で活躍。 現在もコンスタントにライブ活動を行っている。 デビュー以来、ミック、キースとともに、オリジナルメンバーとしてストーンズを支えてきたチャーリー・ワッツは、今年8月に80年の生涯を閉じた。
オカモトショウ(OKAMOTO’S)
なぜか、ビル・ワイマンの全身ピンクの服装が頭に焼き付いてしまう。きっとゴダールは色んな計算をして全部のシーンや色を決めているのだろう、他であんな服着てるビル・ワイマンは見たことない。早くあのピンクのビル・ワイマンを映画館で観たい。
大島依提亜(グラフィックデザイナー)
音楽を途中でぶつ切りにする事で有名なゴダールも、流石にストーンズの音楽となると切るに忍びない…と思ったのかどうかは定かではないが、ゴダールが切らないといったら全然切らない!
現代のコンピューター制御されたスムーズなリモート撮影に慣れた目から見ても、人力とは思えぬ流麗なカメラワークに身を委ね、余す事なく記録された貴重な初期ストーンズのリハーサル風景を只々眺めてるだけで眼福。プラス、いつものゴダール的な寸劇もいっぱい付いてお得感この上ない。
曽我部恵一(ミュージシャン)
リアルなレコーディングをしていることに感激し!
実験的な映画であることに戦慄し!
感覚の全てで体験する映画!
中村一義(音楽家)
あらゆるジャンルのロックンロールを鳴らす時でも、あの天性のジャジーな魂を忘れなかった、チャーリー・ワッツ師匠。
あなたこそが、僕のドラム神の一人です。これまでも、これからも、いつまでも感謝し続けます。
ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
ローリング・ストーンズが黄金時代を迎えようとしていた1968年、物議を醸した「悪魔を憐れむ歌」が録音スタジオで形になっていく姿を見ることができますが、 ゴダールのこの何とも言えない奇作は、正直言って覚悟が必要です。
Mike Koshitani(音楽評論家 1966〜69年/ローリング・ストーンズ・ファン・クラブ会長)
「悪魔を憐れむ歌」ストーンズ代表作!Woo Woo!!僕は何十回、いや百回以上かもしれない、このナンバーをライヴで堪能したことか…。 このゴダール映画はRSスタンダード悪魔・録音道程を生々しく描いている。
三宅唱(映画監督)
ストーンズとゴダールとともに過ごすこの時間は、映画だからこそ、映画館だからこそ味わえるかけがえのないものだ。 持続する緊張がやがて退屈に、そして退屈が興奮に切り替わる、そんな瞬間の数々。たまらない。
茂木欣一(東京スカパラダイスオーケストラ)
2021年の今となっては、'60年代後半の若き日のストーンズ、そしてチャーリーの楽曲制作時の姿をとらえた貴重な作品ですね。 あの曲にマジックが訪れるまでのプロセスがここに・・バンドってこれだからやめられない!!
湯川れい子(音楽評論・作詞)
人もバンドも樹木も、みな成長する。「ワン・プラス・ワン(悪魔を憐れむ歌)」は、不思議な映画だった。成長し切れずに消えていったブライアン・ジョーンズがいた。 安定した酸素を供給し続け、ミックやキースを巨木にしてくれたチャーリー・ワッツがいた。
吉井和哉(ミュージシャン)
1968、69年は悪魔の年。赤、ピンク、紫、キミドリ、オレンジと煙の時代。僕はこの2年間が大好きです。ゴダールとストーンズ。
カッコいいバンドとカッコいい映画。
チャーリー・ワッツの唇が大好きでした。
CUPID PRODUCTIONS PRESENT a Jean-Luc GODARD film.
STARRING :”The ROLLING STONES” Mick JAGGER/Keith RICHARD/Brian JONES/Charlie WATTS/Bill WYMAN, Anne WIAZEMSKI.
DIRECTOR of PHOTOGRAPHY : Tony RICHMOND. PRODUCED by Michael PEARSON & Iain QUARRIER. DIRECTED by Jean-Luc GODARD,
© CUPID Productions Ltd.1970
天辰保文(音楽評論家)
激動や混沌といった言葉たちと共にロックが存在し、それがそのままストーンズと重なっていた時代が確かにあった。
そんな時代のロックの現場に連れて行ってくれる。それにしても、当初「悪魔を憐れむ歌」が、ミックの歌い方を含めてこれほどディランぽかったとは。
宇野維正(映画・音楽ジャーナリスト)
30数年ぶりに観た『ワン・プラス・ワン』。
無表情なチャーリーが抱えていた想いも含め、すべてが手に取るようにわかった。
当時の日本のティーンに1968年のゴダールは早すぎた(今のティーンは違うかも)。