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2020年サンダンス映画祭正式出品、2020年ロンドン映画祭正式出品

サンドラの小さな家

家も人生も、自分たちの手で建て直す。生きづらいこの世界に立ち向かう母娘と隣人たちの、奮闘と希望の感動作。
2020年/アイルランド・イギリス/英語/97min/スコープ/カラー/5.1ch/原題:herself/日本語字幕:髙内朝子 提供:ニューセレクト、アスミック・エース、ロングライド 配給:ロングライド

4月2日(金) 新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開4月2日(金) 新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開

コメント
コナリミサトさんイラスト
コナリミサトさんイラスト

「凪のお暇」、爽快DIY漫画「黄昏てマイルーム」著者で
ご自身も大のDIY好きというコナリミサトさんから
イラストを寄せていただきました!

  • 『サンドラの小さな家』

    予告篇

  • クレア・ダン

    インタビュー

  • フィリダ・ロイド監督

    インタビュー

  • BEWLEYS
  • IRISH PUB CELTS 八重洲店
  • となりのカインズさん

イントロダクションイントロダクション

『マンマ・ミーア!』監督、『女王陛下のお気に入り』製作陣とアイルランドが生んだ新たなる才能、クレア・ダンが贈る今こそ見るべき、希望の涙が溢れる人生再建の物語『マンマ・ミーア!』監督、『女王陛下のお気に入り』製作陣とアイルランドが生んだ新たなる才能、クレア・ダンが贈る今こそ見るべき、希望の涙が溢れる人生再建の物語

どこにでもいる一人の女性が、周囲の人々と助け合いながら、自らの手で小さな家を建てる──。この物語は、アイルランドを舞台にシングルマザーの貧困、家庭内暴力、住宅問題……といった現代社会にはびこる問題に鋭く斬り込み、かつ希望の物語として瑞々しく描き出す。暗い世相を背景にしつつも、それでも強く生きる主人公たちを見つめるあたたかな視点は、イギリスの珠玉ケン・ローチ監督の作品を彷彿とさせる。

本作は、企画・脚本・主演とすべてにおいて重要な役割を果たしたアイルランドの新星クレア・ダン抜きには語れない。親友から受けた「ホームレス状態になってしまった」という一本の電話に、大きな衝撃とともに怒りを感じたダンは初めて映画脚本を執筆。その脚本が、フィリダ・ロイド監督( 『マンマ・ミーア!』、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』)、エレメント・ピクチャーズ( 『女王陛下のお気に入り』『ルーム』製作)らに強く共鳴した。

2020年サンダンス映画祭に正式出品された本作は、批評家・観客から高い評価を得、ロッテントマトの満足度評価では93%を獲得(2021年2月2日時点)。「力を与えてくれる、タイムリーな物語」(Variety)「驚くべき才能の出現」(Indie Wire)「最高傑作」(Little White Lies)と絶賛の声が上がっている。

困難を極める今の時代、一人の若い才能が紡いだ物語は、少しずつ共感を得ながら1本の映画として結実する。それは劇中で、周囲を巻き込みながら家を建てるサンドラの姿とも重なる。この時代にふさわしいエンパワーメントな作品と言えるだろう。

ストーリーストーリー

シングルマザーのサンドラ(クレア・ダン)は、虐待をする夫のもとから2人の幼い娘と共に逃げ出したが、公営住宅には長い順番待ち、ホテルでの仮住まいの生活から抜け出せない。

ある日、娘の寝る前のベッドサイドストーリーからヒントを得て、手頃な家を自分で建てようというアイデアを思いつく。土地、資金、人材……足りないものだらけで途方に暮れていたサンドラだったが、土地と資金の提供を申し出てくれた雇い主のペギー(ハリエット・ウォルター)、偶然出会った建設業者のエイド(コンリース・ヒル)、仕事仲間やその友人たち。少しずつ仲間を増やし、一軒の小さな家を作っていく。しかし、束縛の強い元夫の妨害にあい…。

サンドラは自分の人生を再建することができるのだろうか?

キャストキャスト

Clare Dunne / Sandra Kelly, Writer

クレア・ダン

サンドラ・ケリー、脚本

アイルランド・ダブリン生まれ。主に舞台俳優として活躍。フィリダ・ロイド監督がロンドンで上演したシェイクスピア劇を女性のみで演じるという実験的な三部作「ジュリアス・シーザー」(12)、「ヘンリー4世」(14)、「テンペスト」(16)に出演し好評を博す。2018年に脚本と出演を務めた、アイルランドでのゼロ時間契約や人々の生活苦の問題を扱った社会派の一人芝居「Sure Look It, Fuck It」が完売し話題に。そしてロイド監督に持ち込んだ本作の脚本がダン自身の主演で映画化。2020年サンダンス映画祭で絶賛されて一躍注目を浴び、Variety誌が選ぶ2020年ベスト映画第4位に選出、同誌の「2020年に注目すべき脚本家トップ10」、VOGUE誌の「2021年のライジングスター15」にも選ばれ、ブレイク必至の女性クリエイターとして話題を集める存在に。

Harriet Walter / Peggy

ハリエット・ウォルター

ペギー

イギリス・ロンドン生まれ。映画や舞台、テレビと幅広く活躍する。舞台「Mary Stuart」でイヴニング・スタンダード賞を受賞、トニー賞にノミネート。近年はフィリダ・ロイド監督が上演したシェイクスピア劇女性版三部作で主演を務める。映画は『バベル』(06)、『つぐない』(07)、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(15)、ドラマシリーズは「ダウントン・アビー」(13-15)、「ザ・クラウン」(16)、「キリング・イヴ/Killing Eve」(20)などに出演。大英帝国勲章DBEを受勲しデイムの称号を持つ。

Conleth Hill / Aido

コンリース・ヒル

エイド

北アイルランド・アントリム生まれ。イギリスの演劇界で最も権威あるローレンス・オリヴィエ賞を2度受賞し、過去2回トニー賞にノミネートされている。また、世界的人気ドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」(11-19)のヴァリス役で知られる。その他の出演作に、『人生万歳!』(09)、『砂漠でサーモン・フィッシング』(11)、ドラマシリーズ「SUITS/スーツ」(13)、ドラマシリーズ「ダブリン殺人課」(19)などがある。

スタッフスタッフ

監督

フィリダ・ロイド

Phyllida Lloyd

映画監督、英国演劇界を代表する舞台演出家。イギリス・ブリストル出身。1999年に世界的ヒットミュージカル「マンマ・ミーア!」の演出を手がける。2008年にはメリル・ストリープ、アマンダ・セイフライドら主演の映画版『マンマ・ミーア!』も監督し、ゴールデン・グローブ賞作品賞、英国アカデミー賞英国作品賞にノミネート。また、2011年に監督した映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』では、再び主演に迎えたメリル・ストリープをアカデミー賞とゴールデン・グローブ賞の主演女優賞に導く。演劇分野では、近年手がけたシェイクスピア劇の女性版三部作で批評家から高い評価を得るほか、多数の舞台やオペラを手がけており、ロイヤル・フィルハーモニック・ソサエティ賞も受賞している。2010年にはドラマへの貢献が認められ、大英帝国勲章CBEを授与された。

製作

ロリー・ギルマーティン

Rory Gilmartin

製作会社エレメント・ピクチャーズのプロデューサー。2016年までスクリーン・アイルランドに在籍しており、エレメントと共に多くの作品をプロデュースしてきた。近年手がけた主な作品に『ロブスター』 (15)、『ブルックリン』(15)、『マッド・メアリー』(16)、『Dublin Oldschool』(18)などがある。

製作

エド・ギニー

Ed Guiney

製作会社エレメント・ピクチャーズの共同創立者でプロデューサー。アイルランド出身。近年手がけた主な作品に、『FRANK -フランク-』(14)、『ルーム』(15)、『ロブスター』(15)、『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』(17)、『女王陛下のお気に入り』(18)などがある。

製作

シャロン・ホーガン

Sharon Horgan

製作会社マーマンの共同創立者で、アイルランドとイギリスを拠点に活躍する女優、脚本家、プロデューサー。コメディの手腕で知られ、製作/共同脚本/主演を務めた「Pulling」(06-09)で英国アカデミー賞に2度ノミネート。「Catastrophe」(15-19)で2016年の英国アカデミー・テレビ・クラフト賞脚本賞を受賞、英国アカデミー賞3部門とプライムタイム・エミー賞脚本賞へのノミネートも果たした。サラ・ジェシカ・パーカー主演のドラマシリーズ「Divorce」(16-19)の製作/脚本や、Amazonのドラマシリーズ「モダン・ラブ」(19)第4話の脚本/監督も務める。

コメント

*敬称略、五十音順

伊藤詩織(ジャーナリスト)

DVを受けるということ。それは多くの場合、慣れ親しんだHOMEも失うということ。サンドラが必死に築き上げようとしてたもの。それはただの HOUSEではなく、HOMEと安心して呼べる場所やコミュニティーだったのだろう。

宇垣美里(フリーアナウンサー)

シングルマザーに社会は無慈悲で生活は過酷で不安定
それでもどんな理不尽も暴力も彼女自身を奪うことも、希望を根絶やしにすることもできやしなかった
全てを失おうと何度でも立ち上がる姿に心が奮い立つのを感じた

大塚(シンガーソングライター)

目を覆いたくなるような出来事に、生きる意味を問いたくなるような悲しみに、現実と理想のズレの深さに混乱し、行き先をたびたび見失うことがある。
誰かの優しさに触れることで、誰かを抱きしめるための強さを持つことで、明日というチャンスに挙手をして起き上がる、それはいつも通りのことなのかもしれない。
諦めないことは容易ではないけれど、諦めない価値もまた、愛する人達に、この映画にそっと教えてもらいました。

木村草太(憲法学者)

「良い社会」を望むすべての人に届けたい映画。
いま、あなたがあなたらしくあることに困難を感じているなら、 そこから逃げ出してほしい。
怒ってもいい、泣いてもいい、迷わず助けを求めてほしい。
私たちには、あなたのためにできることがあるはずだ。

光嶋裕介(建築家)

命の中心にある営みから離れてしまった現代人にとって、サンドラの「家をつくる」という原始の体験を見ることは、私たちの中に眠る大切な感覚を想起する。自己に閉じるのではなく、外部に「ひらく」ことで、見えてくる美しい風景がこの映画の中には詰まっている。

駒崎弘樹(認定NPO法人 フローレンス代表理事)

遠い外国のひとり親サンドラの奮闘。
しかし、それはあまりに我が国のひとり親と重なる。
日本のひとり親の貧困率は、先進国最悪。
だがこの映画を見た後に、私達は日本のサンドラたちを照らす、仄かな光を知るだろう。

武田砂鉄(ライター)

傷を癒す。
そのための、途方もない過程のなかで、また傷つけられる。
傷に手を添えようとする人たちの体温が伝わってくる。

中村拓志(建築家)

小さな家の建設は希望であり、喜びであり、それは家族や共同体のセルフビルドだ。泣くなサンドラ。それは大きな家になる。

信田さよ子(公認心理師・臨床心理士)

父から母への暴力を目撃した子どもたちの描写が実にリアルだ。夫のもとを離れた後に主人公が直面する問題は日本と変わらない。彼女が仲間の力を借りて力強く生き直す姿は、日本の女性たちに大きな力を与えてくれるに違いない。

藤原徹平(建築家)

サンドラがセルフビルドで小さな家をつくる。でも本当は、彼女がつくっているのは、家ではなくて、生きようとする世界そのものだ。世界をセルフビルドする。その切実さと悦びがヒリヒリと伝わってくる。

ブレイディみかこ(ライター・コラムニスト)

ケン・ローチの『わたしは、ダニエル・ブレイク』に、ゴム手袋をした女たちの拳が加わったらこんな映画になると思った。自分の家を建てるということは自分自身を取り戻すこと。壊れたらもう一度。何度でも。

安田菜津紀(NPO法人Dialogue for People副代表/フォトジャーナリスト)

映画の原題「HERSELF」に込められた意味を思う。この物語は、居場所という意味での「HOME」を築きながら、サンドラが、娘たちが、自身の声を取り戻していく軌跡だ。

レベッカ・オブライエン(『わたしは、ダニエル・ブレイク』プロデューサー)

力強く、感動的で、高揚感のある作品。 クレアと子どもたちの演技はとても説得力があり素晴らしかった。