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大切なのは、 愛しすぎないこと

里親と“息子”の幸せな日々に、突然訪れた“家族”のタイムリミット 彼らが選んだ未来とは―。フランスを涙で包んだ実話に基づく感動作

第36回ナミュール国際フランコフォニー映画祭俳優賞受賞、第14回アングレーム・フランス語圏映画祭女優賞審査員賞受賞
厚労省社会保障審議会特別推薦 文部科学省選定(青年、成人、家庭向き)厚生労働省社会保障審議会推薦

里親と“息子”の幸せな日々に、突然訪れた“家族”のタイムリミット。彼らが選んだ未来とは―。フランスを涙で包んだ実話に基づく感動作

監督・脚本:ファビアン・ゴルジュアール2021年/フランス/仏語/102分/1.85ビスタ/5.1ch/原題:La vraie famille/英題: The Family/日本語字幕:横井和子 配給:ロングライド ©︎ 2021 Deuxième Ligne Films - Petit Film All rights reserved.
『1640日の家族』“感涙”期待・感想投稿キャンペーン
7月29日(金) TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
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Introduction

イントロダクション

里親と“息子”の幸せな日々に、
突然訪れた“家族”のタイムリミット
彼らが選んだ未来とは――
実話に基づく感動作

監督の少年時代の体験を基に映画化
フランスの里親制度から
“家族のかたち”を描く感動作

長編デビュー作『ディアーヌならできる』が、第9回マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバルで映画監督審査員賞を受賞したファビアン・ゴルジュアール監督。2作目となる本作は監督が子どもの頃、両親が生後18ヶ月の子どもを里子として迎えて6歳まで一緒に暮らした経験を、記憶を掘り起こしながら映画化したもの。もうひとつ物語のモデルとなったのは、監督が福祉関係者や里親とのインタビューで知った父と息子のエピソードだ。子どもが誕生後すぐに母親が亡くなり、打ちのめされた父親は子どもと引き離されてしまったという。里親制度をサポートする組織や里親の役割もリアルに紹介され、子どもの幸せを願う周囲の温かさが伝わってくる。監督が複雑な愛情関係を脚本に落とし込む中で参考にしたのは、『キッド』、『クレイマー、クレイマー』、『E.T.』の傑作群。深い愛で結ばれた絆と別れのエッセンスが、本作の隅々まで行き渡っている。

愛情豊かで賑やかな里親家庭と、実父の間で揺れる少年シモンを演じるのは、演技初挑戦のガブリエル・パヴィ。公園で母親と遊んでいたところ、監督とキャスティング・ディレクターによって見出されたという。映画初出演にして一躍スターダムにのしあがった『存在のない子供たち』のゼイン・アル=ラフィーアや『ミナリ』のアラン・キムに継ぐ、新たな天才子役が誕生した。里親のアンナには、『海の上のピアニスト』のメラニー・ティエリー、夫のドリスには『キャメラを止めるな!』のリエ・サレムら実力派が出演。
今は一緒にいなくても、血がつながってなくても、家族だった時間は消えない。さまざまなかたちの家族にエールを送る奇跡の物語。

Story

ストーリー

里子を本当の息子のように育てた4年半
愛と葛藤の先に、家族がたどり着いた答えとは――

アンナ(メラニー・ティエリー)と夫のドリス(リエ・サレム)が里子のシモン(ガブリエル・パヴィ)を受け入れて、4年半が経った。長男のアドリと次男のジュールは、18ヶ月でやってきたシモンと兄弟のように成長し、いつだって一緒に遊びまわっている。にぎやかで楽しい日々が続くと思っていた5人に、ある日、激震が走る。月に1度の面会交流を続けてきたシモンの実父エディ(フェリックス・モアティ)から、息子との暮らしを再開したいとの申し出があったのだ。突然訪れた“家族”でいられるタイムリミットに、彼らが選んだ未来とは――

里親制度とは?

さまざまな理由で家族と離れて暮らす子どもを家庭に迎え入れて養育する制度。里親と子どもに法的な親子関係はなく、実親が親権者である。本作でシモンが経験するように、週末は実の家族と一緒に過ごし、平日は里親の家庭で過ごすなど、柔軟な里親制度は日本でも注目を集めている。

Staff

スタッフ

監督・脚本:

Fabien Gorgeart

1976年、フランス生まれ。2007年から2016年にかけて6本の短編映画を監督し、 2013年には『Le Sens de l'orientation』がクレルモンフェラン国際短編映画祭で審査員賞を受賞。さらに、代理母出産を引き受けた女性を描いた初の長編映画『ディアーヌならできる』(17)は、マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバルで映画監督審査員賞を受賞した。2019年にはエマニュエル・ベルンエイムの小説を脚色し、舞台「Stallone」を演出。フェスティバル・ドートンヌで選出され、フランス国内でツアーが組まれた。

Cast

キャスト

アンナ:

Mélanie Thierry

1981年、フランス生まれ。幼少期にモデルとして活動をスタートし、これまでにエルメスやイヴ・サンローランなどの広告塔を務める。映画やテレビドラマでも活躍し、1998年には『海の上のピアニスト』に出演、一躍脚光を浴びる。さらに『Le dernier pour la route』(09)ではセザール賞有望若手女優賞を受賞した。主な出演作にテリー・ギリアム監督『ゼロの未来』(13)やスパイク・リー監督『ザ・ファイブ・ブラッズ』(20・Netflix)などがある。

ドリス:

Lyes Salem

1973年、アルジェリア生まれ。俳優・脚本家・映画監督。自身で監督・脚本・主演を務めた『Mascarades』(08)はセザール賞をはじめ、世界中の映画祭にノミネートされた。さらに『カメラを止めるな!』(17)のフランス版リメイクで2022年カンヌ国際映画祭オープニング作品の『キャメラを止めるな!』へも出演。その他の主な出演作に『負け犬の美学』(17)などがある。

エディ:

Félix Moati

1990年、フランス生まれ。『LOL ~愛のファンタジー〜』(08)で長編デビューを飾り、『Télé Gaucho』(12)と『À trois on y va』(15)でセザール賞有望若手男優賞にノミネートされる。主な出演作に『シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢』(18)、『沈黙のレジスタンス ~ユダヤ孤児を救った芸術家~』(20)、『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(21)などがある。監督としては短編『Après Suzanne』(16)でカンヌ国際映画祭短編映画パルム・ドールにノミネートされた。

シモン:

Gabriel Pavie

2014年、フランス生まれ。公園で遊んでいるところを、監督とキャスティングディレクターに見いだされ、演技未経験にして本作で映画デビューを果たす。

Review & Comment

レビュー & コメント

この家族の愛に涙が止まらない

Le Quotidien du Cinéma

素晴らしい演技!

Sud Ouest

深遠で力強い人間ドラマ

Focus Vif

全てはその子の未来のために。
里親制度は完璧ではないかもしれない。
でもシモンが里親から受けた愛情は生きている。
シモンにはこの愛が必要だった。

日本ではまだ里親の数は少ないが、どう支援制度を整えるべきか、考えるきっかけが生まれる作品だ。

犬山紙子(イラストエッセイスト)

里親のアンナの傍に寄り添っていたかった。大丈夫じゃないのに笑顔を見せるのも、愛しすぎて身勝手になるのも、ひとつひとつが苦しいほど刺さってくる。

そしてラストシーン、“本当の家族”のあたたかい眼差しに触れました。

豊田エリー(俳優・モデル)

私たち「養育里親」の立場が曇りなくストレートに描かれ、ラストは胸が詰まる。
でも私たちは、それでもなお、子どもたちを愛し続けます。

藤井康弘(全国家庭養護推進ネットワーク代表幹事、養育里親)

ふたつの家族で育ったシモンは、どんな大人になるのかな。
里親家庭の母親目線で観ると、突然のお別れはつらくてつらくて涙が止まらなかった。
だけどみんな、シモンのことを一番に考えてる。
制度の中には必ず人がいて、そこにはたくさんの感情があるということを、いつだって忘れずに生きていきたい。

ふくだももこ(映画監督/小説家)

*50音順、敬称略
7月29日(金) TOHOシネマズ シャンテほか全国公開