コメント

イラスト:長場雄

人生はつらい。でも、世界はうつくしい。そのどちらも、82歳のウディ・アレンが見せてくれることだから、信じないわけにはいかない。

角田光代(小説家)

人々の笑い声が響くコニーアイランド。光があれば影があり、遊園地の結界近くには闇が色濃く存在しているようです。そして遊園地の毒々しい照明に照らされると、女の本性や心に秘めた欲望も露わになってしまうのです……。

辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)

『ウディ・アレンはT・ウィリアムズがお好き!?』名作「欲望という名の電車」へのオマージュが「ブルージャスミン」だったように、その主人公の秘密を暴くかのような今作のヒロイン。何と悲劇的で美しいことか。
ケイト・ウィンスレットに世界中の演技賞をあげたい!

篠井英介(俳優)

あかるい色と軽快な音楽、演劇的愉悦に彩られてはいても、おそろしく昏く哀しい映画。ウッディ・アレン監督の女の描き方には容赦がない。いかんともし難く子供っぽい大人たちのなかで、子供だけが冷静なのも印象的だった。

江國香織(小説家)

女性の性(サガ)とはなんと!切ないものか・・・
男性との関係性の中で、美しくも醜くもなる
50’を舞台としたことで、心模様が匂いたつほどに表現されて迫りくるジニーの業の深い生き様をケイト・ウィンスレットは、リアリティー且つ鮮やかに演じ切り、魅了される

未唯mie(アーティスト)

日常生活に埋もれる中年女性。注目されることの少ない、世間の関心を最も引きにくいこのポジションにどれだけ多くの女性が悶々としているだろう。主人公ジニーのときめき、悲しみ、そして絶望に、同じ中年女性として恐怖を覚えてしまう。私は大丈夫だろうか。

倉田真由美(漫画家)

苦さと笑いの共存。好みだ。色合い、音楽、久しぶりのジェームズ・ベルーシの太り方。とても好みだ。そして、ケイト・ウィンスレットの渾身のやさぐれ感。堪らない!

松尾スズキ(作家・演出家・俳優)

観終わったその途端、それこそ"ヒュルリ"と今の今までの景色もお話も本当に何だったのか?まるで幻。実はなにもなかったような気にさせられる。
誤解を恐れずにいえば、これは風の又三郎のような映画だった。

近田春夫(ロックンローラー)

ノスタルジックな景色、美しい衣装。すべての登場人物に終止イライラさせられ絶望の気配を感じながらも、雨と炎が映画をさらにせつなく彩る。

ほしよりこ(漫画家)

錆れかけた遊園地が映画のセットのように見える。
その世界に生きている元女優は浮気をした事により平凡な女給を演じていたと気がつく。
恋のヒロインを演じようとするが恋愛物語は悲劇がお約束。W・アレンは凄すぎる!

立川志らく(落語家)

ウディ・アレン映画は人生の教科書だ。なぜ人を愛し、裏切り、過ちを繰り返し、それでもなぜまた愛すのか?
その答えがこの映画にはある・・・と言いたいところだが、ますますわからなくなってきた!!

大根仁(映像ディレクター)

*順不同、敬称略